診断の手引き

  1. 先天性代謝異常
  2. 大分類: 脂肪酸代謝異常症
42

カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼⅡ欠損症

かるにちんぱるみといるとらんすふぇらーぜつーけっそんしょう

Carnitine palmitoyl transferase II deficiency

告示

番号:42

疾病名:カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼⅡ欠損症

診断方法

臨床所見、生化学分析、および遺伝子解析に基づいて行う。

1.フリーカルニチンが低値で、アシルカルニチンが高値の場合は(20μmol/L以上)、CPT2欠損症、CACT欠損症、各種脂肪酸β酸化異常症などアシルカルニチンの蓄積を考える(注1)

2.アシルカルニチン分析において長鎖アシルカルニチン(C16, C18, C18:1)が増加し、アセチルカルニチン(C2)は上昇していないので、(C16+C18:1)/C2比は高値(>0.62)となる(注2)。

症状は非特異的なものが多いが、上記のような症状/所見がみられ、他の原因疾患が特定されていない場合には下記の検査を行う。

3.酵素診断:皮膚線維芽細胞、末梢血リンパ球、筋組織などを用いた酵素活性測定を行う。

4.遺伝子診断:CPT2遺伝子(1p32.3に局在)の変異解析を行う。


注1:
筋型CPT2欠損症では、血中カルニチン値が正常を示すものもあるので、必要に応じて再検査やアシルカルニチン分析などを行う。
注2:
濾紙血での評価は困難なこともあるため、再検時は血清でのアシルカルニチン分析を行うことが望ましい(濾紙血で診断できなくとも血清で容易に診断できることもある)。

当該事業における対象基準

疾患名に該当する場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本先天代謝異常学会