診断方法
臨床所見、生化学分析、および遺伝子解析に基づいて行う。
1.フリーカルニチンが70μmol/L以上あれば、CPT1欠損症を考える。この際は何回か測定し、確認することが望まれる。
2.濾紙血でのアシルカルニチン分析にて、遊離カルニチン(C0)の上昇と長鎖アシルカルニチン(C16, C18)の減少〔C0/(C16+C18)>100で評価する〕が認められる。濾紙血では長鎖のカルニチンが高く出やすいので、何回か測定して確認することが望ましい(注3)。
症状は非特異的なものが多いが、上記のような症状/所見がみられ、他の原因疾患が特定されていない場合には下記の検査を行う。
3.酵素診断:皮膚線維芽細胞、末梢血リンパ球、筋組織などを用いた酵素活性測定を行う。
4.遺伝子診断:CPT1A遺伝子(11q13.3に局在)の変異解析を行う
- 注1:
- この酵素には肝型と筋型のアイソザイムがあるが、報告されているのは肝型酵素欠損症のみである。
- 注2:
- アシルカルニチン分析は血清ではなく濾紙血で行う。
- 注3:
- 遊離脂肪酸や中性脂肪高値を伴うことがある。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会