診断方法
(Michetらの診断基準を改変)
- 1)
- 耳介、鼻、喉頭気管軟骨の3つのうち2つ以上の証明された炎症所見
- 2)
- 耳介、鼻、喉頭気管軟骨の3つのうち1つの証明された炎症所見 + 眼病変、 難聴・前庭障害、血清反応陰性関節炎のうちの2つの所見
- 3)
- 耳介、鼻、喉頭気管軟骨のいずれかの炎症所見あるいは、眼病変、難聴・前庭障害、血清反応陰性関節炎のうち1所見+同軟骨部の組織所見*
* 軟骨の変性(好塩基性低下、弾性線維と膠原線維の変性・断裂、線維化、石灰化)および炎症細胞浸潤など本症に合致した所見であること
臨床症状
- ① 耳介軟骨炎
- 耳介の疼痛、発赤、腫脹、変形を認める。耳介の崩壊を来すと外耳道の閉塞により伝音性難聴を合併する。
- ② 鼻軟骨炎
- 鼻根部の痛み、発赤、腫脹、変形を示し、鞍鼻を呈することもある。
- ③ 喉頭気管軟骨炎
- 半数の患者に合併し、嗄声、咳嗽、喘鳴、呼吸困難を呈する。喉頭気管の狭窄や軟化による気道閉塞は死因となる。
- ④ 難聴・前庭障害
- 軟骨炎の前庭への炎症の波及や内耳動脈の血管炎による。感音性難聴、吐き気、嘔吐、めまい、運動失調などを呈する。
- ⑤ 眼病変
- 強膜炎、結膜炎、ぶどう膜炎、角膜炎。
- ⑥ 血清反応陰性関節炎
- 一過性、自然軽快、移動性で骨びらんを伴わない非破壊性の関節炎。血清反応陰性とは、リウマトイド因子陰性のことを指す。
参考条項
- ① 心血管病変
- 大動脈弁閉鎖不全、僧帽弁閉鎖不全、僧帽弁逸脱、大動脈動脈瘤。
- ② 成人のRP患者の25~35%に関節リウマチ、血管炎症候群などの他の自己免疫疾患を合併するが、小児では少ない。
当該事業における対象基準
治療で非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド薬、免疫調整薬、免疫抑制薬、抗凝固療法、γグロブリン製剤、強心利尿薬、理学作業療法、生物学的製剤又は血漿交換療法のうち一つ以上を用いている場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児リウマチ学会