診断の手引き

  1. 内分泌疾患
  2. 大分類: 内分泌疾患を伴うその他の症候群
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プラダー・ウィリ(Prader-Willi)症候群

ぷらだー・うぃりしょうこうぐん

Prader-Willi syndrome

告示

番号:91

疾病名:プラダー・ウィリ症候群

診断方法

主要所見

ゲノム刷り込み現象 Prader-Willi 症候群
Prader-Willi 症候群に対するDNA 診断の適応基準(Gunay-Aygun et al, Pediatrics2001;108:e92.)

診断時年齢 DNA 診断の適応基準

出生~2歳哺乳障害を伴う筋緊張低下
2~6歳哺乳障害を伴う筋緊張低下
全般的な発達遅延
6~12歳筋緊張低下と哺乳障害の既往(筋緊張低下はしばしば持続)
全般的な発達遅延
過食(食欲亢進、食べ物への異常なこだわり)と中心性肥満(適切な管理がなされない場合)
13歳~成人知的障害、通常は軽度精神遅滞
過食(食欲亢進、食べ物への異常なこだわり)と中心性肥満(適切な管理がなされない場合)
視床下部性性腺機能低下、そして/もしくは、典型的な行動の問題(易怒性や強迫症状など)

診 断

臨床診断は上記の主要所見が認められたときになされる。しかし、これらは比較的非特異的症状である。そのため、FISH検査を行う。特に、皮膚・毛髪の色素低下を伴う患者では、FISHによる微細欠失が通常同定される。確定診断は、第15染色体近位部のインプリンティング領域におけるPWS-ICの過剰メチル化が同定されることである。

参考所見

極めて例外的にPWS-ICを含まない第15染色体近位部インプリンティング領域の微細欠失がある。

参考文献

  1. 日本小児内分泌学会. プラダーウィリ症候群コンセンサスガイドライン. (日本小児内分泌学会「学会ガイドライン」(http://jspe.umin.jp/medical/gui.html)

当該事業における対象基準

治療で補充療法、機能抑制療法その他の薬物療法を行っている場合。

:2.1版
更新日
:2023年7月6日
文責
:日本小児内分泌学会