診断方法(アジソン病)
I. 臨床症状
- 副腎不全症状:発症時期は小児期から成人期までさまざまである。腹痛、嘔吐、易疲労感、食欲不振、ストレスを契機にしたショック、意識障害など。(註1)
- 皮膚色素沈着 全身のび慢性の色素沈着。 (註2)
II. 検査所見
- 全ての副腎皮質ホルモンの低下 (1) 血中コルチゾールの低値
- 2.血中ACTH、PRAの高値
(2) 血中アルドステロンの低値;
(3) 血中副腎性アンドロゲンの低値
(4) 尿中17-OHCS/コルチゾール, 17-KSの低値
(5) ACTH負荷試験で全ての副腎皮質ホルモンの分泌低下
(6) 尿中ステロイドプロフィルにおいて、ステロイド代謝物の全般的低下、異常低値(註3)
III. 参考所見
- 低ナトリウム血症、高カリウム血症
- 抗副腎皮質抗体(保険未収載)
IV. 除外項目
- SF-1異常症
- ACTH不応症(コルチゾール低値、アルドステロン正常)
- 先天性リポイド過形成症
- DAX1異常症
- 註1.
- 慢性的に経過することが多く、不定愁訴との鑑別がつきにくいこともある。
- 註2.
- 起立性低血圧も同時に認めることがある。
思春期以降であれば腋毛、恥毛の脱落を伴うことがある。 - 註3.
- 国内ではガスクロマトグラフ質量分析-選択的イオンモニタリング法による尿ステロイドプロフィル(保険未収載)が可能であり、診断に有用である。(ただし本検査のみで先天性副腎低形成症や先天性リポイド過形成とアジソン病の鑑別は不可)
診断基準
確実例 I、II、IIIおよびIVを満たすもの
ほぼ確実例 I、IIおよびIIIを満たすもの
疑い例 IおよびIIを満たすもの
診断方法(その他)
細分類38. ~ 41. および アジソン病 を除外した場合診断可能。
当該事業における対象基準
治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合
- 版
- :バージョン1.1
- 更新日
- :2015年8月26日
- 文責
- :日本小児内分泌学会