診断の手引き

  1. 慢性心疾患
  2. 大分類: フォンタン(Fontan)術後症候群
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フォンタン(Fontan)術後症候群

ふぉんたんじゅつごしょうこうぐん

Post-Fontan syndrome

告示

番号:90

疾病名:フォンタン術後症候群

診断方法

[理学的所見]心不全徴候、浮腫、チアノーゼ、腹水、心雑音を認める。
[心エコー]
心エコーにて、心房から肺動脈へ直接流れる血流を認める。また、上大静脈から肺動脈、下大静脈から肺動脈への血流を認める。フォンタンルート内に血栓を認めることがある。心室の収縮障害や拡張障害を認めることがある。

[症状 ]
症状は、心不全、動悸、労作時呼吸困難、易疲労。

[心電図 ]
心電図で、頻拍症を認める。心房細動や心房粗動を認めることもある。

[心臓カテーテル検査]
心臓カテーテル検査では、心室の収縮障害や拡張障害を認めることがある。心房圧は10-15mmHgのことが多いが、時に15-20mmHgと上昇していることがある。

[蛋白漏出性胃腸症]
蛋白漏出性胃腸症では、低蛋白血症を認め,糞便中αーアンチトリプシン増加、99mTc標識ヒト血清アルブミンを用いた消化管シンチが陽性となる。血清アルブミン値3g/dl 未満。

[ 肝障害 ]
肝臓エコー、CT,MRIで、肝線維症、肝硬変、肝がんを認める。

[腎障害 ]
血清クレアチンの上昇を認める。血清クレアチン値 2.0 mg/dl以上。

[診断]
フォンタン術後に、不整脈、チアノーゼ、血栓塞栓症、蛋白漏出性胃腸症、心不全、肝硬変、肝がん、腎不全など全身の臓器不全のいずれかを認めるもの

当該事業における対象基準

フォンタン型手術を行った場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児循環器学会