診断方法
[理学的所見]心不全徴候、浮腫、チアノーゼ、腹水、心雑音を認める。
[心エコー]
心エコーにて、心房から肺動脈へ直接流れる血流を認める。また、上大静脈から肺動脈、下大静脈から肺動脈への血流を認める。フォンタンルート内に血栓を認めることがある。心室の収縮障害や拡張障害を認めることがある。
[症状 ]
症状は、心不全、動悸、労作時呼吸困難、易疲労。
[心電図 ]
心電図で、頻拍症を認める。心房細動や心房粗動を認めることもある。
[心臓カテーテル検査]
心臓カテーテル検査では、心室の収縮障害や拡張障害を認めることがある。心房圧は10-15mmHgのことが多いが、時に15-20mmHgと上昇していることがある。
[蛋白漏出性胃腸症]
蛋白漏出性胃腸症では、低蛋白血症を認め,糞便中αーアンチトリプシン増加、99mTc標識ヒト血清アルブミンを用いた消化管シンチが陽性となる。血清アルブミン値3g/dl 未満。
[ 肝障害 ]
肝臓エコー、CT,MRIで、肝線維症、肝硬変、肝がんを認める。
[腎障害 ]
血清クレアチンの上昇を認める。血清クレアチン値 2.0 mg/dl以上。
[診断]
フォンタン術後に、不整脈、チアノーゼ、血栓塞栓症、蛋白漏出性胃腸症、心不全、肝硬変、肝がん、腎不全など全身の臓器不全のいずれかを認めるもの
当該事業における対象基準
フォンタン型手術を行った場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児循環器学会