診断方法
【症状】
気管、食道への圧迫の程度により症状は出現する。多くの場合は生後数ヶ月頃より症状が出現。圧迫の程度が弱ければほとんど無症状となる。気管・食道の圧迫症状として、喘鳴、呼吸困難、嚥下障害などである。
【胸部X線】
胸部X線で頸部異常血管に対する診断は困難。なお、右側大動脈弓の診断は可能。気管の圧迫が強いためにcheck valveとなれば両側肺は過膨張像を呈することがある。
【心エコー図】
・血管輪の存在の証明は困難なことが多い。
・合併心奇形の精査が可能。
【心臓カテーテル・造影所見】
・大動脈造影により血管の起始異常、走行異常が描出される。
・合併心奇形の診断が可能。
【その他の画像診断】
MD-CTおよびMRIによる検査にても診断可能となる。
■診 断
大動脈造影、CT、MRIなどの画像診断により診断は確定。
乳児期などに呼吸障害や嚥下障害を見た場合には本症を疑う。
■鑑 別
重複大動脈弓症、左肺動脈右肺動脈起始症
当該事業における対象基準
治療中又は次の①から⑨のいずれかが認められる場合
①肺高血圧症(収縮期血圧40mmHg以上)
②肺動脈狭窄症(右室-肺動脈圧較差20mmHg以上)
③2度以上の房室弁逆流
④2度以上の半月弁逆流
⑤圧較差20mmHg以上の大動脈狭窄
⑥心室性期外収縮、上室性頻拍、心室性頻拍、心房粗細動又は高度房室ブロック
⑦左室駆出率あるいは体心室駆出率0.6以下
⑧心胸郭比 60%以上
⑨圧較差20mmHg以上の大動脈再狭窄
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児循環器学会