診断の手引き

  1. 慢性心疾患
  2. 大分類: 冠動脈起始異常
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29及び30に掲げるもののほか、冠動脈起始異常

そのた、かんどうみゃくきしいじょう

Other anomalous origin of coronary artery

告示

番号:12

疾病名:10及び11に掲げるもののほか、冠動脈起始異常

診断方法

【心電図】
責任冠状動脈領域の心筋虚血を生じうる

【心エコー図】
心エコーでは、冠動脈起始異常の疑い診断のみで、確定診断は困難である。
【心臓カテーテル・造影所見】
・冠状動脈の選択的造影で明らかとなる。
【その他の画像診断】
心筋シンチグラフィにて責任冠状動脈領域に還流欠損を認めることがあるがまれである。

■診 断
カテーテル検査による冠動脈造影、冠動脈造影CT、心臓MRIのいづれか1つの検査で冠動脈起始の異常が証明できた場合に診断する。心エコー検査のみでは確定できない。

当該事業における対象基準

治療で強心薬、利尿薬、抗不整脈薬、抗血小板薬、抗凝固薬、末梢血管拡張薬、β遮断薬又は肺血管拡張薬のいずれかが投与されている場合

次の①から⑨のいずれかが認められる場合

①肺高血圧症(収縮期血圧40mmHg以上)
②肺動脈狭窄症(右室-肺動脈圧較差20mmHg以上)
③2度以上の房室弁逆流
④2度以上の半月弁逆流
⑤圧較差20mmHg以上の大動脈狭窄
⑥心室性期外収縮、上室性頻拍、心室性頻拍、心房粗細動又は高度房室ブロック
⑦左室駆出率あるいは体心室駆出率0.6以下
⑧心胸郭比 60%以上
⑨圧較差20mmHg以上の大動脈再狭窄

以上の何れかを満たす場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児循環器学会