1. 慢性心疾患
  2. 大分類: 冠動脈起始異常
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29及び30に掲げるもののほか、冠動脈起始異常

そのた、かんどうみゃくきしいじょう

Other anomalous origin of coronary artery

告示

番号:12

疾病名:10及び11に掲げるもののほか、冠動脈起始異常

疾患概念・定義

 左冠尖から左冠動脈が、右冠尖から右冠動脈が出るのが正常であるが、それ以外の形態を全て冠動脈起始異常という。冠動脈が肺動脈から起始する異常は別項で扱う。単一冠動脈、左冠動脈洞(左冠尖)からの右冠動脈起始、右冠動脈洞(右冠尖)からの左冠動脈起始がある。起始異常の冠動脈が大動脈と主肺動脈との間を走行することで、心筋虚血、心筋梗塞を起こすことがある。

病因

 先天性である。

疫学

正確な頻度は不明。ただ、冠動脈造影を行った症例の0.6%にみられる。

臨床症状

 冠動脈の肺動脈起始以外に、単一冠動脈、左冠動脈洞(左冠尖)からの右冠動脈起始、右冠動脈洞(右冠尖)からの左冠動脈起始がある。特に、後者の2つでは起始異常の冠動脈が大動脈と主肺動脈との間を走行することで、心筋虚血、心筋梗塞を起こすことがある。特に、右冠動脈洞(右冠尖)からの左冠動脈起始では運動時の突然死の危険がある。

診断

 カテーテル検査による冠動脈造影、冠動脈造影CT、心臓MRIのいずれか1つの検査で冠動脈起始の異常が証明できた場合に診断する。心エコー検査のみで確定できない。

治療

 冠動脈の手術を行うことがある。

予後

 不明である。ただ右冠動脈洞(右冠尖)からの左冠動脈起始では突然死を起こすことがある。
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児循環器学会