診断の手引き

  1. 慢性心疾患
  2. 大分類: 拘束型心筋症
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拘束型心筋症

こうそくがたしんきんしょう

Restricted cardiomyopathy

告示

番号:20

疾病名:拘束型心筋症

診断方法

症 状

易疲労、呼吸困難、体重増加不良など。

胸部X線

胸部X線で肺うっ血を認めることがある。

心電図

左室肥大を認めることがある。
ST低下など非特異的所見を認めることがある。

心臓超音波検査

左室流入波形で左室拡張障害を認める。この所見に呼吸性変動がない(収縮性心膜炎との鑑別に重要)。
心室壁の肥厚は認めない。
左房は拡大、左室は拡大しない。
左室収縮低下はない。

心筋シンチグラフィー

心筋シンチグラフィーで心筋灌流低下を認めることがある。

心臓カテーテル、心筋生検

左室の拡張障害の所見を認める。
左室拡張末期圧上昇、左室圧の拡張期dP/dtの低下、拡張期圧 dip and plateau(square root sign)。
心筋生検では、心筋の変性、線維化を認める。

遺伝子異常

細胞骨格や筋原線維を構成するタンパク質の遺伝子変異で本症が発生することがある。


確定診断

硬い左室、左室拡大はない、収縮能は正常、基礎疾患はない、で診断。
心臓超音波、心臓カテーテルが重要。

当該事業における対象基準

疾患名に該当する場合

:バージョン1.1
更新日
:2015年8月3日
文責
:日本小児循環器学会