診断方法
幼少時から繰り返す尿路感染症などの既往歴、画像検査による腎尿路の形態(腎実質の萎縮、腎杯の鈍化など),膀胱尿管逆流の有無,血液検査上の腎機能障害の有無などにより総合的に診断する(「細分類44:膀胱尿管逆流」も参照)。
膀胱尿管逆流は、排尿時膀胱尿道造影(voiding cystourethrography:VCUG)で診断し,国際分類(I度:尿管までにたまる逆流,II度:腎孟まで逆流するが尿管・腎孟の拡張や腎杯の変形はない,III度:軽度の尿管・腎孟の拡張と腎杯の変形を伴う,Ⅳ度:中等度の尿管・腎孟の拡張と腎杯の鈍化を呈する,V度:高度の尿管・腎孟の拡張と尿管の屈曲・蛇行,腎杯の拡張および乳頭部の形態消失)を用いて程度を表す。
当該事業における対象基準
腎機能の低下(おおむね3か月以上、血清Crが年齢性別ごとの中央値(別表参照)の1.5倍以上持続)がみられる場合又は腎移植を行った場合
表. 年齢・性別毎の血清クレアチニンの中央値および腎機能低下基準値



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- 腎機能低下基準値は、中央値の1.5倍値。12歳以上は男女別となっている。
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- 17歳以上も近年の標準測定法である"酵素法"での正常値(男:0.83、女性:0.63(Jaffe法だと1.03、0.83 相当))を用いて1.5倍として計算。
- 版
- :バージョン1.1
- 更新日
- :2015年5月23日
- 文責
- :日本小児腎臓病学会