診断方法
臨床的に爪形成不全、膝蓋骨の低形成あるいは無形成、腸骨の角状突起(iliachorn)、 肘関節の異形成を4主徴によって診断する(表1)。
表1. Nail-patella症候群の臨床症状

診断における留意点
- 無症候性のタンパク尿や血尿の症例では、家族も含め上記の外表所見を確認することが重要である。
- 4主徴がそろわないときは、他疾患の鑑別が必要である。
- 膝蓋骨の形成不全をきたす疾患:TBX4異常による小膝蓋骨症候群、Meier-Gorlin症候群など
- 爪の形成不全をきたす疾患:DOOR症候群、 Coffin-Siris症候群など
- 精神発達遅滞や顔貌異常のあるときは他の症候群を念頭に置いて鑑別する。
- 遺伝子診断は可能であるが、すべての患者にLMX1B遺伝子異常が認められているわけではなく、異常がない場合でも診断を除外することはできない。
当該事業における対象基準
病理診断で診断が確定し、治療でステロイド薬、免疫抑制薬、生物学的製剤、抗凝固薬、抗血小板薬、アルブミン製剤若しくは降圧薬のうち一つ以上を用いる場合又は腎移植を行った場合
- 版
- :バージョン1.1
- 更新日
- :2015年5月23日
- 文責
- :日本小児腎臓病学会