診断方法
「大分類2:慢性糸球体腎炎」の診断基準に準じる(表1)。診断は診断はHenoch-Schönlein紫斑病(HSP)の臨床所見とこれに合併する尿所見異常の臨床症状によって行う。
表1. 大分類2:慢性糸球体腎炎

診断上の留意点
- HSPの診断は、米国リウマチ学会の診断基準では、①隆起性の紫斑、②急性の腹部疝痛、③生検組織での小動静脈壁の顆粒球の存在、④年齢が20歳以下(好発年齢は3~7歳)、のうち二つ以上を満たすことでなされる。
- HSP発症後に顕微鏡的血尿や蛋白尿など尿検査異常を認めれば、HSPNの臨床診断は可能であり、臨床診断のための腎生検は不要である。ただし、腎病理組織所見(表2)は腎予後と相関することから、表3に示すような症例は腎生検を施行し、早期に治療方針を決定すべきである。
表2. 国際小児腎臓病研究班(ISKDC)による紫斑病性腎炎の組織分類と予後

表3. 紫斑病性腎炎における腎生検の適応

当該事業における対象基準
病理診断で診断が確定し、治療でステロイド薬、免疫抑制薬、生物学的製剤、抗凝固薬、抗血小板薬、アルブミン製剤若しくは降圧薬のうち一つ以上を用いる場合又は腎移植を行った場合
- 版
- :バージョン1.1
- 更新日
- :2015年5月23日
- 文責
- :日本小児腎臓病学会