診断方法
主症状
Androgen産生による男性化現象(virilism)や糖質ステロイド分泌によるCushing症候群(肥満、無月経、皮膚線条、高血圧、糖尿など)が特徴的な症状。好発年齢は7、8歳にピークがある。
検査所見
- 画像診断では、超音波検査、CT、MRI、131I iodomethyl-12-norcholesterol( NP-59)scintigraphy などによる。
- 病理組織学的検査では、好酸性の強い胞体を有する腫瘍細胞を認め、核は中ないし大型で異形成が強い。
- 小児では腺腫とがん腫の鑑別は困難で、肉眼的にはがん腫の方が大きく、出血および壊死している範囲が広く、顕著な分葉を示すとされる。また、顕微鏡的に、がん腫は好酸性細胞質を含む比較的大きな細胞で構成されており、胞巣状のクラスタを形成しているとされる。
- 血清コルチゾール高値(>20mcg/dl)、また尿中遊離コルチゾール高値(>150mcg/day)、あるいはデキサメサゾン抑制試験、ACTHのラディオイムノアッセイなどが内分泌的検査所見となる。
その他の徴候
自然発症の副腎皮質癌の1/3にp53遺伝子の変異が見られ、Li-Fraumeni症候群に合併することが多い。他にBeckwith-Wiedemann症候群、MEN1の合併も報告されている。
当該事業における対象基準
組織と部位が明確に診断されている場合。治療終了後から5年を経過した場合は対象としないが、再発等が認められた場合は、再度対象とする。
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会