診断方法
主症状
腹部腫瘤、腹部膨満、カテコラミン分泌例では高血圧、頻脈、骨髄転移例では貧血、出血傾向、骨転移例では関節痛など。
検査所見
- 画像診断では、副腎または頚部から骨盤までの交感神経幹に腫瘤を形成する。また、メタヨードベンジルグアニジン(MIBG)シンチグラフィーにて原発巣または転移巣においてアイソトープの取込みを示す。
- 腫瘍マーカーとしては、カテコラミン代謝産物である尿中バニリルマンデル酸(VMA)・ホモバニリン酸(HVA)の上昇、血清NSEの上昇がみられる。
- 病理組織学的検査で、神経芽細胞と神経節細胞の増殖を認め、ロゼット構造を形成することがある。神経細線維が見られることもある。神経芽腫と比較すると、組織学的に間質である成熟したシュワン(Schwann)様細胞が腫瘍組織の50%以上を占め、その中に神経節細胞様の大型腫瘍細胞と小型の未熟な神経芽細胞の胞巣が混在することが特徴とされる。骨髄吸引にて明確な腫瘍細胞が得られることもある。
その他の徴候
国際病期診断でstage MSと定義される予後良好なタイプがある。発症年齢18ヵ月未満で転移巣が肝、皮膚、骨髄に限局する場合である。
診断
原則として、病理組織学的検査により診断する。生検が困難であれば、骨髄吸引による腫瘍細胞の証明により診断することが出来る。生検不可能で骨髄転移もない場合、症状と画像所見、腫瘍マーカーの上昇などから総合的に診断する場合がある。
当該事業における対象基準
組織と部位が明確に診断されている場合。治療終了後から5年を経過した場合は対象としないが、再発等が認められた場合は、再度対象とする。
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会