門脈・肝動脈瘻

先天性の動静脈瘻のうち、肝動脈と門脈系のあいだに短絡を生じたものを言う。門脈圧亢進症で気付かれる。

発生頻度は非常に低いと推測され、国内外で少数の報告をみるのみである。

不明である。肝巨大血管腫や皮膚の血管腫症に合併することがある。

発症は新生児期から1歳以降まで多様である。静脈管の閉塞が門脈圧亢進症の発症を招く例がある。門脈圧亢進症により、血球減少、食道静脈瘤破裂による吐下血などをみる。また脾腫、成長障害をみる。

超音波検査、造影CT、血管造影など画像検査で肝動脈から門脈へ流入する血流が確認されることで確定する。

動脈塞栓術、肝動脈結紮術、門脈下大静脈シャント作成術、経頸静脈肝内門脈静脈短絡術(TIPS)、肝切除術、肝移植など外科的治療が挙げられる。

治療後の予後はいまだ不明である。

側副血行の再発達が知られており、再燃の有無の追跡が必要とみられる。