概念・定義 Introduction
生直後あるいは乳児期より、顔面を含む全身の筋緊張低下を主症状とする遺伝性筋疾患。骨格筋の病理組織学的特徴から、ネマリンミオパチー、セントラルコア病、マルチミニコア病、ミオチュブラーミオパチー、中心核ミオパチー、先天性筋線維タイプ不均等症、先天性全タイプ1線維ミオパチー、還元小体ミオパチーなどに分類される。
病因 Pathogenesis
原因遺伝子として、ACTA1, NEB, TPM2, TPM3, TNNT1, CFL2, KBTBD13, RYR1, SEPN1, MTM1, DMN2, BIN1, FHL1等が知られている
臨床症状 Clinical manifestations
顔面筋を含む全身の筋緊張低下(フロッピーインファント)、高口蓋、呼吸障害、哺乳・嚥下障害、発育・発達の遅れ、関節拘縮、脊柱異常などを示す。新生児期より強い呼吸障害、哺乳障害を認め、乳児期早期に死亡する乳児重症型、乳児期より筋緊張低下、発育・発達の遅れなどを示すが、歩行を獲得し、非進行性もしくは緩序進行性の経過を示す良性先天型、ならびに成人発症型に分類できる
診断 Diagnosis
治療
根本的治療法は現在までのところ見いだされていない。必要に応じて、リハビリテーション、呼吸障害や側弯に対する治療が行われる
予後
乳児重症型の予後は呼吸障害の程度によって規定されることが多い。良性先天型の予後は一般に良好である
参考文献
小牧 宏文.先天性ミオパチー.小児内科 778-779, 2006
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月1日
- 文責
- :日本小児神経学会