概要
蛋白ユビキチン化異常を基盤とした特徴的な身体所見と放射線感受性を呈する免疫不全症であり、悪性腫瘍合併率が多い疾患である。
病因
RING型E3ユビキチンリガーゼをコードするRNF168遺伝子異常による。常染色体劣性遺伝形式をとる。
疫学
稀な疾患である。
臨床症状と検査所見
A.臨床症状
1. 放射線高感受性
2. 免疫不全による易感染性
3. 特徴的顔貌
4. 学習障害
B. 検査所見
DNA二重鎖損傷に対する修復機構として、ATMや制御因子の凝集体形成が必要であるが、これらのDNA損傷部位への凝集体リクルートが欠損している。
治療
免疫不全状態の程度により、ガンマグロブリン補充療法などによる感染症予防と治療を行う。
合併症
悪性腫瘍の合併を呈することがある。
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月1日
- 文責
- :日本免疫不全症研究会