1. 血液疾患
  2. 大分類: 血小板減少性紫斑病
24

23に掲げるもののほか、血小板減少性紫斑病

そのた、けっしょうばんげんしょうせいしはんびょう

thrombocytopenic purpura

告示

番号:17

疾病名:16に掲げるもののほか、血小板減少性紫斑病

疾患概念

本細分類24の血小板減少症は原因疾患の合併症、あるいは一症状として発症するもので、臨床像は個別の原因疾患による。原因疾患の除外診断による細分類23「免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)」が血小板に限定した血球減少症であるのに対して、本細分類の疾患は血小板減少のみならず他の血球減少や免疫異常を伴い、出血症状に加えて個々の原因疾患に特有な多彩な症状を呈する。 二次性免疫性血小板減少性紫斑病(二次性ITP)は、免疫異常を引き起こす原因疾患が同定される場合に診断され、しばしば慢性の経過をとる。臨床症状は個々の基礎疾患による血液免疫異常を呈する。原因疾患としては膠原病、免疫不全症、リンパ増殖性疾患、ピロリ感染、あるいは骨髄移植後合併症などがある。 母子間における血小板抗原やHLA抗原に対する母親の同種抗体が経胎盤的に児に移行する新生児同種免疫性血小板減少症やITP合併母体の出生児では一過性の血小板減少症が生じる。 また、小児においては非免疫学的病態を有する原因疾患が血小板減少症を引き起こすこともしばしば経験される。非免疫学的機序により血小板減少症を生じる原因疾患には、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群、先天性血小板症、血管腫に伴うカサバッハ・メリット症候群などがある。

疫学・病因・症状・治療・予後

本細分類には血小板減少の原因となる多様な基礎疾患が含まれ、その臨床像、診断、治療並びに予後などは個々の基礎疾患による。個々の基礎疾患については診断の手引きで小児慢性特定疾患の疾患別索引を参照すること。

成人期以降の注意点

免疫病態以外の血小板減少が疑われている場合は、血栓性疾患や肝疾患の潜在、長期間の経過で骨髄造血不全(再生不良性貧血、MDSなど)に移行することがあり、長期間の観察が必要である。ステロイド治療が長期間に及ぶ場合には、成長障害・大腿骨頭壊死などに注意する。摘脾が選択された場合は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、髄膜炎菌などの莢膜を有煤細菌に対するワクチン接種が推奨される。甲状腺疾患、全身性エリトマトーデスなど自己免疫性疾患の合併に注意する。

文献

  1. 日本小児血液学会ITP委員会:日本小児血液学会雑誌、18:210 - 218,2004
  2. Shirahata A et al. : J Pediatr Hematol Oncol 31 : 27-32, 2009
  3. J M Journeycake : ASH Education Book 2012 , Hematology vol. 2012 no. 1 444 - 449
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児血液・がん学会