1. 悪性新生物
  2. 大分類: 固形腫瘍(中枢神経系腫瘍を除く。)
37

軟骨肉腫

なんこつにくしゅ

Chondrosarcoma

告示

番号:32

疾病名:軟骨肉腫

疾患概念

軟骨肉腫(chondrosarcoma)は,組織学的に腫瘍性の軟骨形成を伴うが,腫瘍性の類骨・骨形成を伴わない悪性骨腫瘍と定義される(腫瘍性の軟骨形成と類骨・骨形成を示すものは骨肉腫に分類される).通常型軟骨肉腫が最も一般的であるが,頻度の低い亜型として脱分化型軟骨肉腫,間葉型軟骨肉腫,淡明細胞型軟骨肉腫がある.通常型軟骨肉腫は細胞密度や核異型,骨梁への浸潤などの所見から低悪性度のgrade 1,高悪性度のgrade 2,grade 3に分類される.
通常型軟骨肉腫には,原発性軟骨肉腫と多発性骨軟骨腫や多発性内軟骨腫などの先行病変から発生する二次性軟骨肉腫がある.

疫学

原発性悪性骨腫瘍の中で骨肉腫に次いで発生頻度が高く,平成29年度の全国骨腫瘍登録一覧表では登録数は136例(全悪性骨腫瘍の23%)である.
軟骨肉腫の罹患は30~50歳代で多く,若年者ではまれである.ただし,二次性軟骨肉腫ではこれよりもやや若年で発症することがある.性差はないかやや男性に多い.好発部位は体幹骨(脊椎,骨盤,肋骨など),大腿骨近位,上腕骨近位である.

病因

原発性軟骨肉腫の病因は不明である.
二次性軟骨肉腫の先行病変としては多発性骨軟骨腫,多発性内軟骨腫(Ollier病,Maffucci症候群),単発性骨軟骨腫がある.多発性骨軟骨腫は常染色体優性遺伝を示し,原因遺伝子としてEXT1,EXT2が特定されている.

臨床症状

局所の疼痛や腫脹で発症する.
二次性軟骨肉腫では先行病変の急激な増大や疼痛の出現などが見られることが多い.血液検査では特に異常は認めない.

診断

画像検査および病理組織検査にて診断する。
単純X線では、低悪性度の中心性軟骨肉腫は内軟骨腫に類似した所見を認めることが多い。高悪性度の場合、骨侵食像、骨破壊像、軟部腫瘤の形成が見られる。石灰化は軟骨性腫瘍のパターンを示すが、悪性度が高いものではむしろ石灰化に乏しいこともある。境界不明瞭な骨破壊あるいは骨硬化像、Codman三角やsunburst patternと呼ばれる骨膜反応、軟部腫瘤を認める。
MRIでは典型的には軟骨基質を反映してT1強調像で低信号、T2強調像で強い高信号を示し、多結節状の形態を示す。造影MRIでは結節を分画する隔壁の造影効果を認める。高悪性度では軟骨基質が目立たず、粘液様基質、壊死、出血などにより様々なパターンを示すことがある。MRIは腫瘍の進展範囲あるいは血管、神経への浸潤の有無を評価するのに有用である。

治療

治療の原則は十分な切除縁を確保した外科的切除である.化学療法や放射線治療の有効性は確立されていない.ただし,grade 1の低悪性度軟骨肉腫では掻爬でよいという意見もある.
近年,脊椎・骨盤や頭頸部に発生した軟骨肉腫で外科的完全切除が困難または侵襲が大きく機能的損失が大きい症例で重粒子線治療が選択され,良好な短期成績が得られている.

予後

5年生存率は70~80%である.組織学的悪性度(grade)や発生部位が予後と強く相関する.脊椎・骨盤など十分な切除縁確保が難しい部位に発生した場合,局所再発や遠隔転移を生じる可能性が高くなる.

成人期以降の注意点

切除部位に応じた運動機能障害

参考文献

  1. 日本整形外科学会 骨・軟部腫瘍委員会/国立がん研究センター(編). 全国骨腫瘍登録一覧表, 2017
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児血液・がん学会