小児慢性特定疾病における
成長ホルモン治療の認定基準(令和6年3月まで)

以下の基準を満たすものを小児慢性特定疾病における成長ホルモン治療の助成対象とする。

I 開始基準

新たに治療を開始する場合には次の要件を満たすこと。

1成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。)による低身長の場合

次のいずれも満たすこと。ただし、乳幼児で成長ホルモン分泌不全が原因と考えられる症候性低血糖がある場合は、3.を満たしていれば足りること。
  1. 現在の身長が 別表1 に掲げる値以下であること
  2. IGF-1 (ソマトメジンC) 値が200ng/mL未満 (5歳未満の場合は150ng/mL未満)であること
  3. 乳幼児で成長ホルモン分泌不全が原因と考えられる症候性低血糖がある場合は、1種以上、その他の場合は2種以上の成長ホルモン分泌刺激試験(空腹時で行われた場合に限る)の試験前の測定値を含む全ての結果で、成長ホルモンの最高値がGHRP-2負荷では16ng/mL以下、それ以外の負荷では6ng/mL(リコンビナントGHを標準品としているGH測定法)以下であること

2後天性下垂体機能低下症、先天性下垂体機能低下症又は成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものに限る。)の場合

1種以上の成長ホルモン分泌刺激試験(空腹下で行われた場合に限る。)の全ての結果(試験前の測定値を含む。)で、成長ホルモンの最高値が6ng/ml(GHRP―2負荷では16ng/ml)以下である場合に限り、次のいずれかに該当すること。
  1. 現在の身長が 別表2に掲げる値以下であること
  2. 年間の成長速度が、2年以上にわたるか否かを問わず、 別表3 に掲げる値以下で経過していること

3ターナー症候群又はプラダ―・ウィリ症候群による低身長の場合

次のいずれかに該当すること。
  1. 現在の身長が 別表2に掲げる値以下であること。
  2. 年間の成長速度が、2年以上にわたって別表3に掲げる値以下であること。

※プラダー・ウィリ症候群では過度の肥満の場合、有害事象発生のリスクが高くなることから、肥満度90%未満の場合のみホルモン治療の適応となる

4ヌーナン症候群による低身長の場合

現在の身長が 別表2に掲げる値以下であること。

5軟骨異栄養症による低身長の場合

現在の身長が別表4に掲げる値以下であること。

6腎機能低下による低身長の場合

腎機能の低下(おおむね3カ月以上、血清Crが年齢性別ごとの中央値(別表5 参照)の1.5倍以上が持続)がみられる場合でかつ、現在の身長が 別表1 に掲げる値以下であること。

II 継続基準

次のいずれかに該当すること

1後天性下垂体機能低下症、先天性下垂体機能低下症、成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものに限る。)又は成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。)による低身長の場合

  1. 初年度は年間成長速度が6.0cm/年以上または治療中1年間の成長速度と治療前1年間の成長速度との差が、2.0cm/年以上であること
  2. 治療2年目以降は、年間成長速度が3.0cm/年以上であること

2腎機能低下、ターナー症候群、プラダー・ウィリ症候群、ヌーナン症候群、軟骨低形成症又は軟骨無形成症による低身長の場合

  1. 初年度は、年間成長速度が4.0cm/年以上又は治療中1年間の成長速度と治療前1年間の成長速度との差が1.0cm/年以上であること
  2. 治療2年目以降は、年間成長速度が2.0cm/年以上であること
  3. 治療3年目以降は、年間成長速度が1.0cm/年以上であること

III 終了基準

男子 156.4cm、女子145.4cm に達したこと

IV 成長ホルモン治療用意見書

悪性新生物

  1. 悪性新生物共通

慢性腎疾患

  1. 慢性腎疾患共通

内分泌疾患

  1. 1.先天性下垂体機能低下症

  2. 2.後天性下垂体機能低下症

  3. 5.成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものに限る。)

  4. 6.成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。)

  5. 88.ターナー(Turner)症候群

  6. 89.プラダー・ウィリ(Prader-Willi)症候群

  7. 91.ヌーナン(Noonan)症候群

骨系統疾患

  1. 2.軟骨無形成症

  2. 3.軟骨低形成症


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