診断の手引き

  1. 神経・筋疾患
  2. 大分類: 難治てんかん脳症
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徐波睡眠期持続性棘徐波を示すてんかん性脳症

すいみんきじぞくせいきょくじょはをしめすてんかんせいのうしょう

Epileptic encephalopathy with continuous spike-and-wave during sleep (including Landau-Kleffner syndrome)

告示

番号:68

疾病名:徐波睡眠期持続性棘徐波を示すてんかん性脳症

診断基準

A. 症状

  1. てんかん発作として、焦点発作、片側または両側性の間代発作、強直間代発作、欠神発作や脱力発作などがみられる。
  2. 種々の程度の言語機能の障害(言語性聴覚失認など)、認知機能障害(知的障害、時間・空間の見当識障害など)、行動障害(多動、注意障害、攻撃性、衝動性など)、運動障害(統合運動の障害、失調、ジストニアなど)等を認め、退行を示す。

B. 検査所見

脳波で、徐波睡眠(non-REM)期に持続性に出現する広汎性の棘徐波の割合(棘徐波の出現持続時間/non-REM 睡眠時間)が高い(50%以上。典型例では85%以上)。

診断のカテゴリー

  • A. 1. のてんかん発作、B. の脳波検査所見に加えて A. 2. を満たす場合に definite
  • A. 1. のてんかん発作、B. の脳波検査所見を満たす場合に probable

※ 脳波検査所見は自然経過あるいは治療により消長することがある。

参考文献

  1. 白石秀明、睡眠時持続性棘徐波(CSWS)を示すてんかん、編集:高橋幸利、新小児てんかん診療マニュアル、診断と治療社、pp325-332、2019
  2. Tassinari CA, et al., Encephalopathy related to status epilepticus during slow sleep (ESES), ED by: Bureau M., et al., Epileptic syndrome in infancy, childhood an adolescence 6th edition, pp261-283, John Libbey, 2019.
  3. 稀少てんかんの診療指標 日本てんかん学会編集 診断と治療社 初版 2017年04月17日発行

対象の基準(疾病の状態の程度)

運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
:第1版
更新日
:2021年11月1日
文責
:日本小児神経学会