診断の手引き

  1. 染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群
  2. 大分類: 染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群
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アントレー・ビクスラー(Antley-Bixler)症候群

あんとれー・びくすらーしょうこうぐん

Antley-Bixler Syndrome

告示

番号:8

疾病名:アントレー・ビクスラー症候群

診断基準

A 症状

1.頭蓋  頭蓋縫合早期癒合を認める。
2.顔面  西洋梨様と表現される鼻、耳介奇形、外耳道閉鎖、上顎低形成、後鼻孔狭窄を認める。
3.四肢  クモ状指、上腕骨・橈骨の骨性癒合、多発関節拘縮
4.腎・泌尿器生殖器  先天性副腎皮質過形成を認めることがある。女児では外性器の男性化、男児では外性器の発育不全を来たす。
5.精神運動発達遅滞を認めることがある。


B 検査所見

1.画像検査所見 クルーゾン症候群に準ずる。
2.血液検査所見  17α水酸化酵素/17,20-lyase及び21水酸化酵素の複合的機能低下を認める。
3.尿検査所見   尿中ステロイドホルモンの異常を認める。


C 遺伝学的検査等

POR(Cytochrome P450 oxidoreductase)異常あるいは稀にFGFR2異常を認める。


E-1 確実例

(1)症状、(2)検査所見、(3)遺伝学的検査を総合的に診断する。確定診断は遺伝学的検査による。

当該事業における対象基準

基準(ウ)を満たす場合
【基準(ウ)】
治療で呼吸管理(人工呼吸器、気管切開術後、経鼻エアウェイ等の処置を必要とするものをいう。)、酸素療法又は胃管、胃瘻、中心静脈栄養等による栄養のうち一つ以上を行う場合であること。
:バージョン1.0
更新日
:2018年1月31日
文責
:日本小児遺伝学会