診断の手引き

  1. 慢性消化器疾患
  2. 大分類: 肝硬変症
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先天性肝線維症

せんてんせいかんせんいしょう

congenital hepatic fibrosis; CHF

告示

番号:10

疾病名:先天性肝線維症

診断方法

以下にて先天性肝線維症の診断を行う

A.主要な臨床所見

  1. 肝腫大±脾腫
  2. 脾機能亢進性血小板減少症
  3. 慢性血小板減少性紫斑病
  4. 吐血
  5. 原因不明の胆管炎
  6. 原因不明の汎血球減少症
  7. 原因不明の肝硬変

のうち、1つでも項目を満たせば、本症を疑う。

B主要な検査所見

  1. 血液検査所見血小板低下、汎血球減少、トランスアミナーゼ高値、γGTP高値のいずれかを満たす。
  2. 画像検査所見
  3. 腹部単純CTで肝の脳回様変化あるいは、腹部エコーで肝実質の不均一なエコー輝度
  4. 肝組織所見
  5. 門脈域の線維性拡大とductal plate遺残を思わせる異常な形状の胆管増生
    門脈域間の太い線維での結合
    門脈の低形成ならびに肝動脈の増生
  6. 消化管内視鏡検査所見
  7. 門脈圧亢進症に合致

※ 嚢胞性腎疾患を合併することが多い。

参考文献

日本膵・胆管合流異常研究会、日本胆道学会 編. 膵・胆管合流異常診療ガイドライン pp1-84

当該事業における対象基準

疾病による症状がある場合、治療を要する場合又は肝移植を行った場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児栄養消化器肝臓学会