診断の手引き

  1. 慢性消化器疾患
  2. 大分類: 肝内胆汁うっ滞性疾患
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先天性多発肝内胆管拡張症(カロリ(Caroli)病)

せんてんせいたはつかんないたんかんかくちょうしょう(かろりびょう)

Caroli Disease

告示

番号:14

疾病名:先天性多発肝内胆管拡張症(カロリ病)

診断方法

A.主要症状・所見

  1. 肝腫大をみることが多い。
  2. 胆管炎に伴う発熱・腹痛をみることが多い。
  3. 胆石に伴う腹痛・黄疸をみることがある。
  4. 門脈圧亢進症に伴う吐下血をみることがある。

B.検査所見

  1. 画像検査で肝内胆管の嚢胞状拡張をみる。多くは多発性分節状である。
  2. 造影CTで拡張胆管内に微小な点状の造影効果 (central dot sign) をしばしば認める。MRIではcentral flow void sign である。ほか画像検査で肝内結石・胆石をみることが多い。
  3. 組織学的にも胆管拡張がみられ、その胆管内に球状突起物や架橋構造をみることが多い。

B1がみられ、A. B.の各項目に矛盾しないものを本症とする。

当該事業における対象基準

疾病による症状がある場合、治療を要する場合又は肝移植を行った場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児栄養消化器肝臓学会