診断方法
A. 主症状
- 原因不明の子宮内胎児死亡
- 新生児期の全身状態不良あるいは、多臓器障害
- 新生児期の原因不明の肝不全あるいは、肝硬変
- 新生児期の敗血症に起因しない播種性血管内凝固障害
B. 血液・画像・病理所見、家族歴
- フェリチン高値
- MRI T2強調画像で肝臓以外の臓器に鉄沈着を示唆する低信号を認める
- 口唇小唾液腺生検や剖検により肝臓以外の臓器(唾液腺、甲状腺、膵臓、心臓)への鉄沈着が組織学的に証明される
- 同一の母から出生した同胞が新生児ヘモクロマトーシスと診断されている
C. 鑑別診断
- ニーマン・ピック病 C型(血清オキシステロール、filipin染色、遺伝子診断)
- 高チロシン血症(タンデムマス検査、血中・尿中アミノ酸分析)
- ミトコンドリア病(臓器や皮膚線維芽細胞を用いた組織中呼吸鎖酵素活性測定、遺伝子診断)
- 血球貪食症候群(血球貪食像、NK細胞活性、遺伝子診断)
診断のカテゴリ
C. の鑑別疾患を除外し、A. の症状の少なくとも一つを満たし、かつ、B. の少なくとも二つを満たすものを確定診断とする。当該事業における対象基準
疾病による症状がある場合、治療を要する場合又は肝移植を行った場合
- 版
- :バージョン2.0
- 更新日
- :2019年2月19日
- 文責
- :日本小児栄養消化器肝臓学会