診断の手引き

  1. 慢性消化器疾患
  2. 大分類: 免疫性肝疾患
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新生児ヘモクロマトーシス

しんせいじへもくろまとーしす

Neonatal Hemochromatosis

告示

番号:44

疾病名:新生児ヘモクロマトーシス

診断方法

A. 主症状

  1. 原因不明の子宮内胎児死亡
  2. 新生児期の全身状態不良あるいは、多臓器障害
  3. 新生児期の原因不明の肝不全あるいは、肝硬変
  4. 新生児期の敗血症に起因しない播種性血管内凝固障害

B. 血液・画像・病理所見、家族歴

  1. フェリチン高値
  2. MRI T2強調画像で肝臓以外の臓器に鉄沈着を示唆する低信号を認める
  3. 口唇小唾液腺生検や剖検により肝臓以外の臓器(唾液腺、甲状腺、膵臓、心臓)への鉄沈着が組織学的に証明される
  4. 同一の母から出生した同胞が新生児ヘモクロマトーシスと診断されている

C. 鑑別診断

  1. ニーマン・ピック病 C型(血清オキシステロール、filipin染色、遺伝子診断)
  2. 高チロシン血症(タンデムマス検査、血中・尿中アミノ酸分析)
  3. ミトコンドリア病(臓器や皮膚線維芽細胞を用いた組織中呼吸鎖酵素活性測定、遺伝子診断)
  4. 血球貪食症候群(血球貪食像、NK細胞活性、遺伝子診断)

診断のカテゴリ

C. の鑑別疾患を除外し、A. の症状の少なくとも一つを満たし、かつ、B. の少なくとも二つを満たすものを確定診断とする。

当該事業における対象基準

疾病による症状がある場合、治療を要する場合又は肝移植を行った場合

:バージョン2.0
更新日
:2019年2月19日
文責
:日本小児栄養消化器肝臓学会