診断の手引き

  1. 慢性消化器疾患
  2. 大分類: 難治性下痢症
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乳糖不耐症

にゅうとうふたいしょう

lactose intolerance

告示

番号:28

疾病名:乳糖不耐症

診断方法

A.主要症状

  1. 新生児期あるいは乳児期において、哺乳後数時間ないし数日で著しい下痢を呈する
  2. 乳児期を過ぎても、少量の乳糖(を含む食品)の摂取により著しい下痢を呈する
  3. 下痢出現時の腹部膨満、腹鳴
  4. 反復性の痙性腹痛

B.他の重要な臨床所見および検査所見

  1. 乳糖除去によって便性が正常化し、再摂取により腹部症状が再現する
  2. 下痢便のpH<5.5、または便Na+<70 mEq/L
  3. 便中の還元糖の検出
  4. 経口乳糖負荷試験において腹部症状を呈し、血糖値の上昇が20 mg/dL未満
  5. 経口乳糖負荷試験において呼気中水素濃度が20 ppm以上上昇
  6. 経口ブドウ糖負荷試験では下痢を呈さず、血糖値の上昇が20 mg/dL以上
A.の1または2に該当し、3,4のいずれか、または両方を伴う。さらに、B.の1があり、2~5のうち1項目以上に該当する場合を本症とする。また、グルコース・ガラクトース吸収不全症を否定するために6の確認が望ましい。

当該事業における対象基準

発症時期が乳児期の場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児栄養消化器肝臓学会