診断方法
I. 主要臨床症状
- 乳児期より入浴・発熱で誘発されやすい部分、一側性あるいは全般性の間代発作を繰り返し抗てんかん薬治療に抵抗する。
- 発作は、長時間持続しやすく発熱時には容易に30分以上続く重積状態となる。
- 1歳頃からミオクロニー発作、非定型欠神発作、複雑部分発作が出現する。
- 1歳頃から知的発達が伸び悩み、歩行獲得しても失調性となる。
II. 他の重要な臨床所見および検査所見
- 脳波:1歳までは正常であるが、1歳以降に背景活動徐波化、広汎性(多)棘波複合、多焦点性棘波が年齢に伴って消長する。一部の例では1歳を過ぎてから強い図形過敏性、光過敏性を伴う。
- MRI:乳児期は正常だが幼児期以後は非特異的萎縮が多く、海馬硬化を伴うことがある。
- 遺伝子:SCN1A遺伝子のヘテロ変異を70~80%に、微小欠失を数%に認める。SCN1A遺伝子異常の90%以上がDravet症候群である。SCN1B、SCN2A、GABRG2変異の報告もまれにある。
I.のすべてを満たす場合、あるいはI.の1.とII.の3.を満足する場合、本症と診断する。
当該事業における対象基準
運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児神経学会