診断方法
a.主要臨床症状
狭義な意味での先天性角化異常症は、骨髄不全および1つ以上の大症状と2つ以上の小症状を満たす場合に診断する。
- 骨髄不全症
一系統以上の血球減少と骨髄低形成を認める - 大症状(皮膚、粘膜所見)
- 網状色素沈着
- 爪の萎縮
- 口腔粘膜白斑症
- 小症状(その他の身体所見)
- 頭髪の消失、白髪
- 歯牙の異常
- 肺病変
- 低身長、発達遅延
- 肝障害
- 食道狭窄
- 悪性腫瘍
- 小頭症
- 小脳失調
- 骨粗鬆症
b.重要な検査所見
- T細胞数の減少
- B細胞数の減少
- NK細胞数の減少と機能低下
- 汎血球減少
確定診断として、染色体テロメア長の制御に重要な遺伝子群の変異を同定する。X連鎖性遺伝形式をとるDKC1 (dyskerin)、常染色体性形式とるTERC、TERT 、NHP2 、NOP10 、TINF2 遺伝子などの変異を同定する。
当該事業における対象基準
治療で補充療法、G-CSF療法、除鉄剤の投与、抗凝固療法、ステロイド薬の投与、免疫抑制薬の投与、抗腫瘍薬の投与、再発予防法、感染症予防療法、造血幹細胞移植、腹膜透析又は血液透析のうち、一つ以上を継続的に実施する(断続的な場合も含めておおむね6か月以上)場合は対象となる
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本免疫不全症研究会