診断方法
a.主要臨床症状
- 歩行開始と共に明らかになる歩行失調(体幹失調) <必発症状>
- 徐々に確実に進行(2歳から5歳までの間には進行がマスクされることもある)
- 小脳性構語障害・流涎
- 眼球運動の失行、眼振
- 舞踏病アテトーゼ(全例ではない)
- 低緊張性顔貌
- 眼球結膜・皮膚の毛細血管拡張6歳までに50%、8歳時で90%があきらかになる。
- 免疫不全症状(反復性気道感染症)但し30%では免疫不全症状を認めない。
- 悪性腫瘍:特にT細胞性腫瘍の発生頻度が高い。
- その他:発育不良、内分泌異常(耐糖能異常:インスリン非依存性糖尿病)、皮膚、頭髪、血管の早老性変化
b. 重要な検査所見
- αフェトプロテインの上昇(2歳以降:95%で)
- CEAの増加(認めることがある)
- IgG(IgG2)、IgA、IgEの低下
- T細胞数の低下、CD4陽性T細胞中CD4+CD45RA+細胞の比率の低下
- 電離放射線高感受性
リンパ球と線維芽細胞の染色体不安定性
確定診断には、ATM蛋白発現低下とATM遺伝子変異を同定する。常染色体劣性遺伝形式をとる。 類縁疾患として、Ataxia-telagiectasia like disease (ATLD)があり、MRE11遺伝子異常を伴う。常染色体劣性遺伝形式をとる。
当該事業における対象基準
治療で補充療法、G-CSF療法、除鉄剤の投与、抗凝固療法、ステロイド薬の投与、免疫抑制薬の投与、抗腫瘍薬の投与、再発予防法、感染症予防療法、造血幹細胞移植、腹膜透析又は血液透析のうち、一つ以上を継続的に実施する(断続的な場合も含めておおむね6か月以上)場合は対象となる
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本免疫不全症研究会