診断方法
a.主要臨床症状
- 易感染性 易感染性の程度は症例により異なるのが特徴である。
- 血小板減少 ほぼ全例で見られ、血便、皮下出血が多い。小型血小板を伴う。
- 湿疹 湿疹はアトピー性湿疹様で、難治である。
b.重要な検査所見
- 小型血小板を伴う血小板減少を伴う。
- T細胞数の減少とCD3抗体刺激に対する反応低下がみられる。
- B細胞では免疫グロブリンはIgM低下、IgA上昇、IgE上昇を認める。抗多糖類抗体、同種血球凝集素価などの特異抗体産生は低下する。
- NK活性は半数で低下する。
- 補体価は正常とされるが、好中球および単球の遊走能は低下する例が多い。
確定診断には、フローサイトメトリー法によるWASP蛋白発現低下とWASPあるいはWIP遺伝子変異を同定する。WASP遺伝子変異はX連鎖性、WIP遺伝子変異は常染色体劣性遺伝形式をとる。
当該事業における対象基準
治療で補充療法、G-CSF療法、除鉄剤の投与、抗凝固療法、ステロイド薬の投与、免疫抑制薬の投与、抗腫瘍薬の投与、再発予防法、感染症予防療法、造血幹細胞移植、腹膜透析又は血液透析のうち、一つ以上を継続的に実施する(断続的な場合も含めておおむね6か月以上)場合は対象となる
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本免疫不全症研究会