診断方法
診断基準
患者はヘテロ接合体であり、先天的にアンチロトンビン活性が約50%以下程度に低下している。活性値が抗原量と合致するアンチトロンビン低下症(タイプI)と、抗原量は正常であるが活性が約50%以下に低下するアンチトロンビン分子異常症(タイプII)とがある。診断に際しては、活性および抗原値の双方を測定することが望ましい。
主要な症状
下肢深部静脈血栓症、血栓性静脈炎や、これに伴う肺血栓症を若年期から反復する。動脈性の血栓はきわめてまれである。
診断に有用な検査所見
DICなどの後天的なアンチロトンビン低下症を除外する必要がある。
- ①
- 血栓症が家系内で多発している
- ②
- 若年期に血栓症が発症する
- ③
- 血栓症が反復する
などの情報が診断に有用である。
血漿アンチトロンビン活性も年齢とともに上昇して成人レベルに達する。また二次的に低下することがある。
したがって、生理的な活性の基準値(参考文献4)を参考に、家族歴と活性値の動態から先天性欠乏症を疑って、遺伝子診断をすすめることが望ましい。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会