診断方法
先天性プレカリクレイン欠乏症
部分トロンボプラスチン時間は延長するが,出血症状を呈さない。プレカリクレイン活性低下により診断する。
先天性高分子キニノゲン欠乏症
いわゆる接触因子の一つであるキニノゲンの質的・量的低下による疾患で,部分トロンボプラスチン時間は延長するが,出血症状を呈さない。
天性第V+VIII因子合併欠乏症
常染色体劣性遺伝形式を有する出血性疾患で,第V因子及び第VIII因子の低下(5%~30%)により診断される。軽症血友病Aと類似した出血症状を呈する。プロトロンビン時間,活性化部分トロンボプラスチン時間ともに延長する。
先天性α2-プラスミンインヒビター欠乏症
抗原量と活性値により,両者が同程度低下する欠損症と,抗原量は正常で活性が低下している異常症に分類される。症状は,止血後の再出血(後出血)が特徴である。ホモ接合体では外傷後の止血困難,手術後の再出血,切傷からの漏出性出血・皮下血腫,筋肉内血腫,関節内血腫,血胸,消化管出血,中枢神経系の出血が生じる。 プロトロンビン時間,活性化部分トロンボプラスチン時間は正常。線溶亢進を認める。
先天性プラスミノゲンアクチベータインヒビター1欠乏症
極めて稀であるが,血管障害部位における血栓溶解により,後出血症状が生涯続く。プロトロンビン時間,活性化部分トロンボプラスチン時間は正常。線溶亢進を認める。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会