診断方法
主症状
点状出血あるいは斑状出血が主な出血症状である。 口腔内出血、鼻出血、下血、血尿、過多月経などの粘膜出血もみられる。関節出血は通常認めず、出血症状を自覚せずに血小板減少を指摘される場合もある。検査所見と診断
診断には、特異的検査はなく、除外診断による。詳細な病歴聴取、注意深い身体診察、血算・末梢血液像が必須である。- 末梢血液:血小板減少(10万/μl以下)を認め、赤血球および白血球の数と形態は正常である。
- 骨髄所見:骨髄巨核球数は正常ないし増加し、赤芽球および顆粒球の数と形態は正常である。典型的な小児ITPであれば骨髄検査は必須ではない。しかし、肝脾腫の合併や赤血球、白血球の数的、形態的異常を有する非典型例では骨髄検査を実施する。副腎皮質ステロイド剤の投与を考慮する場合、大量ガンマグロブリン投与が無効な場合などに実施することが望ましい。
- 血小板減少をきたしうる免疫関連疾患、並びに他の原因疾患を除外することが必要である。
- 血小板減少をきたしうる免疫関連の原因疾患を特定できる場合は、二次性免疫性血小板減少症(免疫性血小板減少性紫斑病)として区別して診断する。確定診断は個別の原因疾患の特徴的所見による。(細分類24参照)
鑑別診断
- 二次性免疫性血小板減少性紫斑病
- 先天性血小板減少症および異常症
- 非免疫機序による血小板減少を来す疾患(血栓性血小板減少性紫斑病、カサバッハ・メリット症候群など)
- 血小板産生の低下の原因となる造血器腫瘍および造血不全症 (再生不良性貧血、白血病、骨髄異形成症候群など)
- その他、非免疫機序による血小板減少症
当該事業における対象基準
治療で補充療法、G-CSF療法、除鉄剤の投与、抗凝固療法、ステロイド薬の投与、免疫抑制薬の投与、抗腫瘍薬の投与、再発予防法、造血幹細胞移植、腹膜透析又は血液透析のうち、一つ以上を継続的に実施する(断続的な場合も含めておおむね6か月以上)場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会