診断方法
診断基準
- 1)以下の三主徴を有する。(註1) 皮膚カフェオレ斑
- 2)1)の疑いがあり、他の内分泌腺でホルモン産生過剰症(下垂体成長ホルモン、副腎糖質コルチコイド、副甲状腺ホルモン、甲状腺ホルモン過剰症など)を認める。
- 3)皮膚・骨・性腺の組織、ホルモン過剰産生を認める内分泌組織において、Gsαをコードする遺伝子(GNAS遺伝子)に活性型変異を認める。
線維性骨異形成症
ゴナドトロピン非依存性思春期早発症
診断確実例
以下のいずれか又は両方を認めた場合。
- 1)診断基準1)の三主徴の2項目以上を有する。
- 2)診断基準3)の遺伝子変異を認める。
疑い例
診断確実例には当てはまらないが、以下の場合はマッキューン・オルブライト症候群が強く疑われ、暫定的な臨床的診断は可能である。さらに精査・経過観察を進める。
- 1)診断基準1)の三主徴の一項目を有する。
- 2)診断基準2)を認める。
註1)以下の徴候は順次出現することもあり、三主徴のいずれか一つでも典型的所見を認めた場合は、注意深く経過観察を行う。
- カフェオレ斑:辺縁不整なミルクコーヒー色の色素沈着を、複数個認める。体の左右どちらかに偏在することが多く、体幹や大腿部に好発するが、顔面等他の部位にも見られる。神経線維腫症に伴うカフェオレ斑と鑑別する。
- 線維性骨異形成症:骨レントゲン単純撮影、放射性テクネシウムによる骨シンチグラムにて確認する。骨病変により四肢等に左右差を生ずることもある。
- ゴナドトロピン非依存性思春期早発症:診断は同症の診断基準によるが、加えて、多くは早発月経のみを認め、初期には乳房腫大や成長率の上昇、骨年齢の促進を伴わないこともある。これは卵巣からの不規則・断続的なエストロジェン分泌によって起こるため、症状は持続しないこともあり、血中ホルモン値の上昇を捉えられないことも多い。
参考文献
Pediatric Endocrinology Sperling
William’s Textbook of Endocrinology
小児内分泌学 小児内分泌学会編
当該事業における対象基準
治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児内分泌学会