診断方法
MEN2 は臨床所見と家族歴に基づいて、MEN2A、MEN2B、家族性甲状腺髄様癌(familial medullary thyroid cancer: FMTC)に細分される。
- 1)以下のうちいずれかを満たすものをMEN2(MEN2A またはMEN2B)と診断する。
- ①
- 甲状腺髄様癌と褐色細胞腫を有する。
- ②
- 上記2 病変のいずれかを有し、一度近親者(親、子、同胞)にMEN2 と診断された者がいる。
- ③
- 上記2 病変のいずれかを有し、RET 遺伝子の病原性変異が確認されている。
- 2)以下を満たすものをFMTC と診断する。 家系内に甲状腺髄様癌を有し、かつ甲状腺髄様癌以外のMEN2 関連病変を有さない患者が複数いる。
(註:1 名の患者の臨床像をもとにFMTC の診断はできない。MEN2A における甲状腺髄様癌以外の病変 の浸透率が100%ではないため、血縁者数が少ない場合には、MEN2A とFMTC の厳密な区別は不可能で ある。MEN2B は身体的な特徴からMEN2A やFMTC と区別できる。)
原因遺伝子
癌原遺伝子であるRET遺伝子の生殖細胞系列変異がほぼ全例で認められる。遺伝子変異はすべてミスセンス変異であり、変異コドンと臨床像に明瞭な相関が認められる。 RET遺伝子変異が同定された患者の血縁者で、発症前遺伝子診断によって変異が同定されたが、まだいずれの病変も発症していない者を「RET変異保有未発症者」とよぶ。
当該事業における対象基準
手術を実施し、かつ、術後も治療が必要な場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児内分泌学会