診断方法
先天性高インスリン血症の診断には下記の基準を満たすこと
- 新生児期~小児期に発症し、長期にわたり持続性・反復性の低血糖症状を示す。
- 高インスリン性低血糖症の診断基準を満たす。
- 膵腫瘍を認めない。
- 外因性インスリン投与など他の明らかな低血糖の原因を認めない。ただし、本症の原因となることが知られているKCNJ11、ABCC8、GLUD1、GCK、UCP2、HADH、SLC16A1、HNF4A、HNF1A、 インスリン受容体などの遺伝子変異が同定された場合は、1. と 2. の一部を満たすのみでも診断できる。
表. 高インスリン性低血糖症の診断基準(日本小児内分泌学会)
低血糖時における検査(critical sample)
インスリン >2-5μIU/mL
遊離脂肪酸 <1.5 mmol/L
βヒドロキシ酪酸 <2.0 mmol/L
血糖を正常に保つブドウ糖静注量
>6-8 mg/kg/min
空腹時グルカゴン負荷による血糖上昇>25 mg/dLも参考となる。
参考文献
- 日本小児内分泌学会薬事委員会 高インスリン血性低血糖症の診断と治療ガイドライン 日本小児科学会雑誌110:1472-1474, 2006
当該事業における対象基準
治療で補充療法、機能抑制療法その他の薬物療法又は胃瘻、持続経鼻栄養等の栄養療法のいずれか一つ以上を行っている場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児内分泌学会