診断方法
臨床症状
- 副腎不全症状
- 哺乳力低下、体重増加不良、嘔吐、脱水、意識障害、ショックなど。
- 皮膚色素沈着
- 全身のび慢性の色素沈着。
- 口腔粘膜、口唇、乳輪、臍、外陰部に強い色素沈着。
- 外性器所見
- 46,XY症例では尿道下裂、停留精巣などの不完全な男性化。
- 46,XX症例では正常女性型から軽度の陰核肥大,陰唇癒合(軽度の男性化)。
参考検査所見
- 血漿ACTH高値
- PRAの高値
- Pregnenolone/Progesterone、17-OH pregnenolone/17-OH progesterone、DHEA/Δ4-androstenedione比の上昇(註 1)
- 低Na血症、高K血症
遺伝子診断
タイプII 3βHSD遺伝子(HSD3B2)の異常
除外項目
- 21-水酸化酵素欠損症
- 11β-水酸化酵素欠損症
- 17α-水酸化酵素欠損症
- POR欠損症
- (註1)
- 内分泌学的にΔ5-/Δ4-ステロイド比の上昇がマーカーになるが17-OHP、Δ4-androstenedioneの上昇を認める場合もある。いくつかの検査項目は保険収載されていないが、一部の民間検査機関で測定可能である。ただし生後6ヶ月までは、免役化学的測定-直接法による血中ステロイドホルモン測定は診断に必ずしも有用ではない。(測定に胎生皮質ステロイドの影響を受けるからである。)
診断基準
除外項目を除外した上で、
- 3つの臨床症状を認める場合は診断可能。
- 染色体検査は時間がかかるため、副腎不全をきたしている場合は治療が優先される。この場合症状が落ちついてから、各種検査結果を総合して診断を確定する。必要があれば遺伝子診断を行う。
当該事業における対象基準
治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児内分泌学会