診断の手引き

  1. 内分泌疾患
  2. 大分類: クッシング(Cushing)症候群
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副腎皮質結節性過形成

ふくじんひしつけっせつせいかけいせい

ACTH-independent macronodular adrenal hyperplasia

告示

番号:13

疾病名:副腎皮質結節性過形成

診断方法

主症候

  1. クッシング症候

内分泌検査

  1. 血漿ACTH低値
  2. 血中コルチゾール高値または正常範囲内、日内変動なし
  3. 尿中17OHCS高値、尿中17KS高値
  4. デキサメサゾン8 mgまたはそれ以上の負荷で抑制されない。
  5. ACTH刺激試験陽性
  6. CRH刺激試験陰性
  7. メトピロンテスト陰性(少数例で陽性を得る)

画像診断

  1. エコー、CT,MRIで両側副腎の著しい腫大
  2. 副腎シンチグラフィで両側副腎への取り込み増大
  3. トルコ鞍のMRI,CT, X-P上、通常下垂体に腫瘍を認めない。

病理学的特徴

  1. 副腎皮質過形成の亜型の中でも最も副腎肥大が著しい。両側重量が70gを超える過形成は事実上AIMAHである。
  2. 淡黄色調の大結節(0.1-0.4cm)ないし亜結節が両側副腎を占め、本来の副腎皮質構造が著しく歪められている(結節には出血、壊死は原則的に認められない)
  3. 組織学的に、小型の暗調細胞と小型明調細胞、通常の大きさの明調細胞の著しい増生が主体である。症例により中等大の暗調細胞の参加をみる。
  4. 非結節部副腎皮質も小型の暗調/明調細胞で占められている。
  5. 酵素学的には3βHSD活性は腺腫より低い。
  6. 電顕的には、滑面小胞体の発達は概して悪い。
  7. 免疫組織化学的には3βHSD活性は明調細胞に染色があり、17αhydroxylaseは小型暗調細胞が染色性を示す。

鑑別診断

  1. 両側副腎皮質腺腫
  2. ACTH依存性結節性過形成

当該事業における対象基準

治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児内分泌学会