診断方法
主症候
- クッシング症候
内分泌検査
- 血漿ACTH低値
- 血中コルチゾール高値または正常範囲内、日内変動なし
- 尿中17OHCS高値、尿中17KS高値
- デキサメサゾン8 mgまたはそれ以上の負荷で抑制されない。
- ACTH刺激試験陽性
- CRH刺激試験陰性
- メトピロンテスト陰性(少数例で陽性を得る)
画像診断
- エコー、CT,MRIで両側副腎の著しい腫大
- 副腎シンチグラフィで両側副腎への取り込み増大
- トルコ鞍のMRI,CT, X-P上、通常下垂体に腫瘍を認めない。
病理学的特徴
- 副腎皮質過形成の亜型の中でも最も副腎肥大が著しい。両側重量が70gを超える過形成は事実上AIMAHである。
- 淡黄色調の大結節(0.1-0.4cm)ないし亜結節が両側副腎を占め、本来の副腎皮質構造が著しく歪められている(結節には出血、壊死は原則的に認められない)
- 組織学的に、小型の暗調細胞と小型明調細胞、通常の大きさの明調細胞の著しい増生が主体である。症例により中等大の暗調細胞の参加をみる。
- 非結節部副腎皮質も小型の暗調/明調細胞で占められている。
- 酵素学的には3βHSD活性は腺腫より低い。
- 電顕的には、滑面小胞体の発達は概して悪い。
- 免疫組織化学的には3βHSD活性は明調細胞に染色があり、17αhydroxylaseは小型暗調細胞が染色性を示す。
鑑別診断
- 両側副腎皮質腺腫
- ACTH依存性結節性過形成
当該事業における対象基準
治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児内分泌学会