診断方法
A. 臨床所見
- 結節状に腫大した甲状腺腫を触知する。甲状腺腫のみを触知し、結節がはっきりしないことも多い。
- 甲状腺機能亢進ならびに低下症状を認めない。
B. 検査所見
- 甲状腺機能(遊離T4、遊離T3、TSH)は正常である。
- 甲状腺自己抗体(抗TG抗体、抗TPO抗体)は陰性である。
- 甲状腺超音波検査で、多発性の結節であり、結節が被膜で包まれていない、結節内部の構造は多様である、などの所見を呈する。
診断
A.の2項目に加えて、B.のすべてを有するものを腺腫様甲状腺腫と診断する。
付記
- 本来、腺腫様甲状腺腫は病理学的診断名であり、病理学的診断が行われていれば診断は確実である。
- 腺腫様甲状腺腫の病理所見は以下のとおり 腺腫様に増殖を示す部分、過形成を示す部分、およびほとんど正常と思われる部分が混在する。
結節の組織像は大型の濾胞よりなり、濾胞内コロイド貯留、濾胞上皮の増生、出血・壊死・結合組織増生・石灰沈着の混在よりなる。
当該事業における対象基準
治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児内分泌学会