診断方法
慢性自己免疫性甲状腺炎の中で、甲状腺腫を伴うものを橋本病、伴わないものを萎縮性甲状腺炎とした。
A. 臨床所見
- 甲状腺萎縮
B. 検査所見
- 抗甲状腺マイクロゾーム(またはTPO)抗体陽性
- 抗サイログロブリン抗体陽性
- 細胞診でリンパ球浸潤を認める
診断
A.および B.の1つ以上を有するものを萎縮性甲状腺炎と診断する。
附記
- 甲状腺機能低下の重症度を示唆する、基礎代謝低下、易疲労感、無気力、徐脈、心機能障害、便秘、嗄声、筋仮性肥大、学業成績の低下、粘液水腫、脱毛、成長の停止(growth arrest)、症候性肥満等が特徴的である。
- 特徴的な成長曲線から発症時期が推定できることがある。
- 阻害型抗TSH受容体抗体により本症が発生することがある。
- 甲状腺超音波検査で内部エコー低下や不均一な萎縮した甲状腺を認めるものは萎縮性甲状腺炎の可能性が強い。
当該事業における対象基準
治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児内分泌学会