診断方法
I.主症候
1. 女性:月経不順・無月経 不妊 乳汁分泌 頭痛 視力視野障害
2. 男性:性欲低下 陰萎 頭痛 視力視野障害
II.検査所見
血中PRL基礎値の上昇
複数回測定し、いずれも20ng/ml (測定法により30ng/ml)以上を確認する。
III.鑑別診断(表1参照)
1薬剤服用
表1の1の薬剤服用の有無を確認する。
該当薬があれば2週間休薬し、血中PRL基礎値を再検する。
2原発性甲状腺機能低下症
血中甲状腺ホルモンの低下とTSH値の上昇を認める。
3視床下部―下垂体病変
1、2を除外した上でトルコ鞍部の画像検査(単純撮影、CT、MRIなど)を行う。
- 異常なし 他の原因(表1の5)を検討する。
- 異常あり 視床下部・下垂体茎病変
該当なければ視床下部の機能性異常と診断する。
表1の3のⅡを主に画像診断から鑑別する。
下垂体病変
PRL産生腺腫(腫瘍の実質容積と血中PRL値がおおむね相関する。)
他のホルモン産生腺腫
診断の基準
確実例 IおよびIIを満たすもの。
なお、原因となる病態によって病型分類する。
表1.高PRL 血症をきたす病態
当該事業における対象基準
治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児内分泌学会