診断の手引き

  1. 内分泌疾患
  2. 大分類: 高プロラクチン血症
9

高プロラクチン血症

こうぷろらくちんけっしょう

Hyperprolactinaemia

告示

番号:33

疾病名:高プロラクチン血症

診断方法

I.主症候


1. 女性:月経不順・無月経 不妊 乳汁分泌 頭痛 視力視野障害
2. 男性:性欲低下 陰萎 頭痛 視力視野障害

II.検査所見

血中PRL基礎値の上昇
複数回測定し、いずれも20ng/ml (測定法により30ng/ml)以上を確認する。

III.鑑別診断(表1参照)

1薬剤服用
 表1の1の薬剤服用の有無を確認する。
 該当薬があれば2週間休薬し、血中PRL基礎値を再検する。

2原発性甲状腺機能低下症
血中甲状腺ホルモンの低下とTSH値の上昇を認める。

3視床下部―下垂体病変
1、2を除外した上でトルコ鞍部の画像検査(単純撮影、CT、MRIなど)を行う。

  1. 異常なし
  2. 他の原因(表1の5)を検討する。
    該当なければ視床下部の機能性異常と診断する。
  3. 異常あり
  4. 視床下部・下垂体茎病変
    表1の3のⅡを主に画像診断から鑑別する。

下垂体病変
PRL産生腺腫(腫瘍の実質容積と血中PRL値がおおむね相関する。)
他のホルモン産生腺腫

 

診断の基準

確実例 IおよびIIを満たすもの。
なお、原因となる病態によって病型分類する。

表1.高PRL 血症をきたす病態

表1.高PRL 血症をきたす病態

当該事業における対象基準

治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児内分泌学会