診断方法
I 主症候
- 1) 著明な身長の増加
- 発育期にあっては身長の増加が著明で、最終身長は男子185cm 以上、女子175cm 以上であるか、そうなると予測されるもの(註1)
- 2) 先端巨大
- 発育期には必ずしも顕著ではない。
II 検査所見
- 成長ホルモン(GH)分泌の過剰
血中GH値がブドウ糖75g経口投与で正常域まで抑制されない(註2) - 血中IGF-1 (ソマトメジンC)の高値(註3)
- MRIまたはCTで下垂体腺腫の所見を認める(註4)
III 副症候
- 発汗過多
- 頭痛
- 視野障害
- 女性における月経異常
- 睡眠時無呼吸症候群
- 耐糖能異常
- 高血圧
- 咬合不全
- 頭蓋骨および手足の単純X線の異常(註5)
IV 除外規定
脳性巨人症ほか他の原因による高身長例を除く。
- (註1)
- 2年以上にわたって年間成長速度が標準値の2.0SD 以上。なお両親の身長、時代による平均値も参考とする。
- (註2)
- 正常域とは血中GH底値1 μg/L(リコンビナントGHを標準品とするGH測定法)未満である。
- (註3)
- 健常者の年齢・性別基準値を参照する。栄養障害、肝疾患、腎疾患、甲状腺機能低下症、コントロール不良の糖尿病などが合併すると血中IGF-Iが高値を示さないことがある。
- (註4)
- 明らかな下垂体腺腫所見を認めない時や、ごく稀にGHRH産生腫瘍の場合がある。
- (註5)
- 頭蓋骨単純X線でトルコ鞍の拡大および破壊、副鼻腔の拡大、外後頭隆起の突出、下顎角の開大と下顎の突出など、手X線で手指末節骨の花キャベツ様肥大変形、X線で足底部軟部組織厚heel padの増大=22mm以上を認める。
診断の基準
確実例:IおよびIIをみたすもの
但し、いずれの場合もIV(除外規定)をみたす必要がある。
当該事業における対象基準
治療で補充療法、機能抑制療法その他薬物療法のいずれか1つ以上を行っている場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児内分泌学会