診断方法
【症状】
高率に新生児早期から気管・食道の圧迫症状として、慢性の咳嗽・吸気性喘鳴、呼吸困難、チアノーゼ、嚥下困難・嘔吐などが出現する。呼吸困難は哺乳中に増悪し、後弓反張の姿勢で軽減する。
【胸部X線】
胸部X線正面像で左右の大動脈弓が認められる場合がある。気管の圧迫が強いためにcheck valveとなれば両側肺は過膨張像を呈することがある。
【心エコー図】
・重複の大動脈弓が描出されることがある。
・合併心奇形の精査が可能。
【心臓カテーテル・造影所見】
・上行大動脈造影により左右の大動脈弓が描出される。
【その他の画像診断】
MD-CTおよびMRIによる検査にても診断可能となる。
■診 断
大動脈造影、CT、MRIなどの画像診断により診断は確定。
新生児早期からの吸気性喘鳴、呼吸困難や哺乳困難を見た場合には本症を疑う。
■鑑 別
血管輪(重複大動脈弓症を含まない)
当該事業における対象基準
治療中又は次の①から⑨のいずれかが認められる場合
①肺高血圧症(収縮期血圧40mmHg以上)
②肺動脈狭窄症(右室-肺動脈圧較差20mmHg以上)
③2度以上の房室弁逆流
④2度以上の半月弁逆流
⑤圧較差20mmHg以上の大動脈狭窄
⑥心室性期外収縮、上室性頻拍、心室性頻拍、心房粗細動又は高度房室ブロック
⑦左室駆出率あるいは体心室駆出率0.6以下
⑧心胸郭比 60%以上
⑨圧較差20mmHg以上の大動脈再狭窄
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児循環器学会