肺動脈弁欠損

■臨床所見
呼吸不全および心不全（肺動脈の巨大な拡張による気管・気管支の圧迫）
聴診上のto and fro雑音

【胸部X線所見】
心拡大
肺門部腫瘤陰影（右または左肺動脈拡大）
肺気腫、無気肺

【心電図】
右軸偏位、右房拡大、右脚ブロック/右室肥大

【心エコー図】
肺動脈弁の欠損、肺動脈弁輪の低形成、右室ー肺動脈間のto-and-fro血流

【心臓カテーテル・造影所見】
右室圧上昇、肺動脈弁輪部狭小
主肺動脈、右ないし左肺動脈拡張、肺動脈から右室への逆流
右室から大動脈と肺動脈が同時に造影（Fallot四徴症、心室中隔欠損の合併）

[診断基準]心エコー、心臓カテーテル検査で肺動脈弁欠損が証明される

治療中又は次の①から⑨のいずれかが認められる場合

①肺高血圧症（収縮期血圧40mmHg以上）
②肺動脈狭窄症（右室-肺動脈圧較差20mmHg以上）
③２度以上の房室弁逆流
④２度以上の半月弁逆流
⑤圧較差20mmHg以上の大動脈狭窄
⑥心室性期外収縮、上室性頻拍、心室性頻拍、心房粗細動又は高度房室ブロック
⑦左室駆出率あるいは体心室駆出率0.6以下
⑧心胸郭比 60%以上
⑨圧較差20mmHg以上の大動脈再狭窄

最終手術不能のためチアノーゼがあり、死に至る可能性を減らすための濃厚なケア、治療及び経過観察が必要な場合

以上の何れかを満たす場合