診断の手引き

  1. 慢性心疾患
  2. 大分類: 大動脈肺動脈窓
49

大動脈肺動脈窓

だいどうみゃくはいどうみゃくそう

Aorto-pulmonary window

告示

番号:63

疾病名:大動脈肺動脈窓

診断方法

■臨床所見
症状は肺血流量増多による肺高血圧と心不全症である。末梢動脈では反跳脈(bounding pulse)を認める。
動脈管開存症とは異なり、欠損孔が大きいために連続性雑音ではなく収縮期雑音を聴取する。
肺高血圧の存在のためにⅡ音は亢進している。

【胸部X線所見】
特異的な所見は無いが、肺血管陰影の増強と左心系容量負荷による左第2から4弓の突出を認める。

【心電図】
特異的な所見は無いが、左房負荷と両室肥大所見を呈する。

【心エコー図】
2つの半月弁(大動脈弁と肺動脈弁)と円錐中隔の上に欠損孔を認め、左右または両方向性の短絡血流を認める。

【心臓カテーテル・造影所見】
主肺動脈または右肺動脈から、上行大動脈へカテーテルが挿入できる。上行大動脈の基部造影により、肺動脈が造影される。

【診断】心エコー、心臓カテーテル検査

当該事業における対象基準

治療中又は次の①から⑨のいずれかが認められる場合
①肺高血圧症(収縮期血圧40mmHg以上)
②肺動脈狭窄症(右室-肺動脈圧較差20mmHg以上)
③2度以上の房室弁逆流
④2度以上の半月弁逆流
⑤圧較差20mmHg以上の大動脈狭窄
⑥心室性期外収縮、上室性頻拍、心室性頻拍、心房粗細動又は高度房室ブロック
⑦左室駆出率あるいは体心室駆出率0.6以下
⑧心胸郭比 60%以上
⑨圧較差20mmHg以上の大動脈再狭窄

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児循環器学会