診断の手引き

  1. 慢性心疾患
  2. 大分類: 両大血管右室起始症
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両大血管右室起始症(タウジッヒ・ビング(Taussig-Bing)奇形を除く。)

りょうだいけっかんうしつきししょう(たうじっひ・びんぐきけいをのぞく。)

Double-outlet right ventricle

告示

番号:98

疾病名:両大血管右室起始症(タウジッヒ・ビング奇形を除く。)

診断方法

心臓超音波検査

心臓超音波にて心室中隔欠損とともに、肺動脈と大動脈の両大血管のうち、 ひとつは右室から完全に起始しており、他のひとつが50%以上右室から起始している所見を認める。
心室中隔欠損が存在する。 心室中隔欠損の部位は大動脈弁下、肺動脈弁下、両半月弁下、遠位のどこにあるか確認する。
僧帽弁と半月弁は線維性結合がないので conus が観察される。
肺動脈狭窄がある型と肺高血圧がある型がある。
右室肺動脈間の狭窄部位は弁、弁下、弁上狭窄がある。

胸部X線

病型により心拡大を認める場合と認めない場合がある。
肺血管陰影も病型により増強する場合と減少する場合がある。

心電図

右軸偏位、右室肥大を認める。

心臓カテーテル・造影検査

造影所見で、心室中隔欠損とともに、心室中隔欠損とともに、肺動脈と大動脈の両大血管のうち、 ひとつは右室から完全に起始しており、他のひとつが50%以上右室から起始している所見を認める。
心室中隔欠損が存在する。僧帽弁と半月弁は線維性連続がない。
肺動脈狭窄を伴う場合には右室と肺動脈間に圧較差を認める。

当該事業における対象基準

治療中又は次の①から⑨のいずれかが認められる場合
①肺高血圧症(収縮期血圧40mmHg以上)
②肺動脈狭窄症(右室-肺動脈圧較差20mmHg以上)
③2度以上の房室弁逆流
④2度以上の半月弁逆流
⑤圧較差20mmHg以上の大動脈狭窄
⑥心室性期外収縮、上室性頻拍、心室性頻拍、心房粗細動又は高度房室ブロック
⑦左室駆出率あるいは体心室駆出率0.6以下
⑧心胸郭比 60%以上
⑨圧較差20mmHg以上の大動脈再狭窄

:バージョン1.1
更新日
:2015年8月3日
文責
:日本小児循環器学会