診断方法
症 状
新生児期よりチアノーゼを認める。
心臓超音波検査
五腔断面で心室中隔欠損VSDとともに大動脈が両心室にまたがる形で観察される。
左室長軸像でも大動脈騎乗が観察される。
心室中隔の延長上に大動脈弁があり、大動脈の下半分は左室から上半分は右室から出る。
右室流出路では大きなVSD(多くは三尖弁直下の膜様部欠損)と漏斗部中隔の前方偏位のため、右室流出路の狭小化が観察される。
肺動脈も大動脈に比して細く弁性狭窄を伴うことも多い。
胸部X線
心陰影は正常かやや小さい。
左第2弓陥凹(肺動脈主幹部低形成)と心尖部挙上により木靴型となる。
右大動脈弓が25%に認められる。
肺血管影は減少する。
正側面で胸腺陰影が欠如していれば 22q11.2欠失症候群を疑う。
心電図
右軸偏位、右室肥大を認める。
心臓カテーテル・造影検査
収縮期右室圧は、左室・大動脈圧と等しい。肺動脈圧は正常ないしより低圧。
右室造影で肺動脈と大動脈が同時に造影されるのが特徴である。
特に肺動脈指数(PA index:左右肺動脈の断面積の和/体表面積)は、心内修復術の可能性をみる際に重要である。
左室造影で大動脈が造影され冠動脈異常の有無や頸部血管の分岐を観察する。
また、動脈管開存や卵円孔開存なども確認する。
心臓血管CT
Multiditecter row CTでは3D画像が構築でき、 心臓カテーテルによる圧測定や短絡率以外の形態的なデータはすべて得られる。 特に気管や気管支と大血管との位置関係も分かり、 ファロー四徴症に肺動脈弁欠損を合併する病態では、拡張した左右の肺動脈による気管支の圧迫も観察できる利点がある。
診 断
心臓超音波、心臓カテーテル検査
当該事業における対象基準
治療中又は次の①から⑨のいずれかが認められる場合
①肺高血圧症(収縮期血圧40mmHg以上)
②肺動脈狭窄症(右室-肺動脈圧較差20mmHg以上)
③2度以上の房室弁逆流
④2度以上の半月弁逆流
⑤圧較差20mmHg以上の大動脈狭窄
⑥心室性期外収縮、上室性頻拍、心室性頻拍、心房粗細動又は高度房室ブロック
⑦左室駆出率あるいは体心室駆出率0.6以下
⑧心胸郭比 60%以上
⑨圧較差20mmHg以上の大動脈再狭窄
最終手術不能のためチアノーゼがあり、死に至る可能性を減らすための濃厚なケア、治療及び経過観察が必要な場合
以上の何れかを満たす場合
- 版
- :バージョン1.1
- 更新日
- :2015年8月3日
- 文責
- :日本小児循環器学会