診断方法
【症状】
易疲労、呼吸困難、胸痛など。無症状のこともある。
【胸部X線所見】
胸部X線で軽度心拡大を認める。
【心電図所見】
左室肥大を認めることがある。異常Q波、左側胸部誘導巨大陰性T波などを認めることがある。
【心エコー所見】
心室壁の肥厚、特に心室中隔の肥厚が著明である。心室中隔の厚さ/後壁厚の比が1.3以上を非対称性肥大と呼び、本症の典型的な所見のひとつである。左室の拡張障害の所見を認める。左室流出路狭窄があれば、流速の亢進を認める。僧帽弁閉鎖不全を認めることがある。年少児では右室流出路狭窄を認めることもある。
【心臓カテーテル、心筋生検】
左室、心室中隔の肥厚を認め、左室の拡大はなく、心室収縮能は正常ないし亢進している。左室拡張末期圧の上昇を認める。左室内に狭窄があれば、引き抜き圧で、左室内に圧差を認める。心筋生検では、心筋の錯綜配列、心筋細胞肥大を認める。
【遺伝子異常】
細胞骨格や筋原線維を構成するタンパクの遺伝子変異で、本症が発生することがある。
【予後】
難治性で予後不良の疾患である。特に乳児期発症例は予後は不良である。
【診断】
心エコー、心臓カテーテル、心筋生検で確定診断する。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児循環器学会