診断の手引き

  1. 慢性腎疾患
  2. 大分類: 慢性糸球体腎炎
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リポタンパク糸球体症

りぽたんぱくしきゅうたいしょう

Lipoprotein glomerulopathy

告示

番号:40

疾病名:リポタンパク糸球体症

状態の程度

蛋白尿がみられる場合、腎機能低下がみられる場合又は腎移植を行った場合

診断基準

A 症状

蛋白尿、しばしばネフローゼ症候群を呈する。
血尿は通常認められない。


B 検査所見

腎病理組織所見
 1.光学的顕微鏡所見:
糸球体血管腔は、光学顕微鏡で淡染色性のリポ蛋白を主体とする巨大な血栓状沈着物(リポ蛋白血栓)により著しく腫大する
 2.電子顕微鏡所見:
   石垣状あるいは砂状の顆粒が糸球体血管腔に充満している。
生化学検査所見
血漿アポEが高値(正常上限の2倍以上)で、Ⅲ型高脂血症としての脂質異常を示す
 ・トリグリセライド優位の高脂血症
 ・超遠心法によるリポ蛋白分析で超低比重リポ蛋白(VLDL)と中間比重リポ蛋白(IDL)が高値で、
電気泳動法でブロードβ分画の存在の確認  
ただし、これらは家族性Ⅲ型高脂血症ほど著明ではない。


C 遺伝学的検査等

特有のApoE遺伝子変異をヘテロで有する
 代表的には、ApoE-Sendai(Arg145Pro), ApoE-Kyoto(Arg25Cys)など
 15種の変異が報告されており(1)、うち13種の変異がLPGとかかわりが強いヘテロ型変異である(2)。


D 鑑別診断

脂質異常症として:家族性Ⅲ型高脂血症、糸球体リピドーシス、LCAT症候群、糖原病、Fabry病
糸球体障害として:脂質異常症に伴う巣状分節性糸球体硬化症や膜性増殖性糸球体腎炎


E-1 確実例

A- Dを満たすもの
以下診断基準(3,4)を示す
1. タンパク尿で発症、しばしばネフローゼ症候群を呈する。血尿は通常認めない。
2. 糸球体血管腔は、光学顕微鏡で淡染色性のリポタンパクを主体をする巨大な血栓状沈着物(リポタンパク血栓)により著しく腫大する。
3. 電子顕微鏡所見では、石垣状あるいは砂状の顆粒が糸球体血管腔に充満している。
4. 血漿アポEが高値であり、Ⅲ型高脂血症を示すが、家族性Ⅲ型高脂血症ほど著明ではない
5. 家族内発症がみられ、特異的なアポタンパク変異を伴っている。


E-2 疑い例

上記の2,3の病理像を認めるもの。
(4,5に関しては、満たさない報告例も散見されるため)

参考文献

1. Saito T, Matsunaga A, Ito K, Nakashima H. Topics in lipoprotein glomerulopathy: an overview Clin Exp Nephrol. 18(2):214-7,2014
2. Matsunaga A, Saito T, Apolipoprotein E mutations: a comparison between lipoprotein glomerulopathy and type III hyperlipoproteinemia. Clin Exp Nephrol, 18:220-4, 2014
3. Saito, T, Matsunaga A, Oikawa S. Impact of lipoprotein glomerulopathy on the relationship between lipids and renal diseases. Am. J. Kidney Dis. 47: 199-211, 2006.
4. 斉藤喬雄:リポ蛋白糸球体症の病態. 日内会誌 95:1838-1844, 2006
:バージョン1.0
更新日
:2018年1月31日
文責
:日本小児腎臓病学会

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